事例紹介
開館20周年記念。月見の里学遊館の市民音楽劇がいよいよ開幕します!
文化・芸術・スポーツ活動団体 | 袋井市月見の里学遊館 |
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活動場所 | 静岡県袋井市 |
「昔々、月見の里はしぜん豊かな山里で森にはたくさんの動物たちが住んでいました。」
そんな一節からはじまる絵本をもとに生まれたのが、市民音楽劇『月のうさぎ』です。
「力持ちのイノシシ、ジャンプがとくいなシカ、木の上にはサル、あなほりをするトガリネズミ・・・」
来たる2023年2月26日。袋井市に生息する動物たちをモチーフに、合唱・演技・ダンス・ゴスペル・クラシックの管弦楽アンサンブルがひとつの舞台をつくり上げます。
目次
1)袋井市『月見の里学遊館』20周年記念プロジェクト
2)オーディション~プロの指導でつくりあげた音楽劇
3)舞台稽古に密着。小学2年生から75歳までが熱演
4)ノンストップのアトラクション。ここでしか味わえない1日を
5)開館から20年。月見の里に根づいた文化活動
袋井市『月見の里学遊館』20周年記念プロジェクト
コンサートホール、ワークショップルーム、図書館など、芸術文化活動の拠点として市民に親しまれている袋井市月見の里学遊館が、開館20周年を記念して、地域のヒトが主役になる音楽劇プロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトは令和3年から始動。プロによる制作・演出・監修のもと、月見の里学遊館で活動する様々な分野のグループが、ジャンルや世代を超えて交流・連携しながら進行中。
2年以上をかけたプロジェクトの集大成は、月見の里学遊館うさぎホールで催される市民音楽劇『月のうさぎ』です。
オーディション~プロの指導でつくりあげた音楽劇
音楽劇のメインを担うのは、地域に住む子どもです。オーディションで選抜された演技やダンスメンバーと、合唱団が舞台の核になります。
そこに加わるのはプロを含む、県内外の大人たち。『アンサンブル・ムジーク浜松』の演奏や『月見の里ゴスペルクワイア』の歌声、効果音として歌舞伎の附け打ち(つけうち)師も。指揮・編曲は浜松市生まれで東京音楽大学在学中の佐藤圭さんが務めます。
衣装や小道具、舞台美術もワークショップを行いながら、手づくりで準備をすすめた力作ばかり。
家庭や学校では体験できない文化芸術の魅力を、第一線で活躍するプロから学びます。
単に「上手になること」を目標にしないで、「他人の心に届けられること」を大切にしようと、表現力に加え、社会性や相互理解といった学びの機会を、2年の月日をかけて重ねてきました。
舞台稽古に密着。小学2年生から75歳までが熱演
本番間近の舞台にお邪魔すると、この日は演技チームとダンスチームの合同稽古中でした。
各チーム、限られた時間の中でチェックを済ませ、ステージ上で本番を想定した連携確認が行われています。
稽古中、新たな演出アイデアでダンスの振り付けが加わり、「ダンスチームも歌声を出してほしい」「動画に撮ってチェックしよう」「演技チームは舞台袖への移動をスムーズに」などと声をかけ合いながら、休憩時間まで、リズムに合わせてひたすら舞台に磨きをかけていました。
ノンストップのアトラクション。ここでしか味わえない1日を
本公演の見どころを、プロデュース・作・演出を務める菱沼妙子さん(写真左から3番目)と、演技指導を務める村松知代子さん(写真左から2番目)、横山央さん(写真左)、ダンス指導のRisaさん(写真右)にうかがいました。
「絵本作りからオリジナル曲、オーディションと準備を進めてきた成果をぜひ観に来てほしい。」と話す菱沼さん。
「映像や照明は秒単位のオペレーション。子ども達をプロが徹底的にバックアップしています。オーケストラ生演奏に歌舞伎の効果音などノンストップのアトラクションとしても楽しめるはず。」
「家庭や学校だけでなく文化芸術を地域として支えていく活動でもあるので、教育関係者にも興味をもって貰えたら。」
と言います。
県内出身でTRF、三浦大地、AKBユニットのバックダンスやPV出演、振り付け担当経験のあるRisaさんは、
「今の時代は、ダンスを踊れるだけではなく、昔よりダンスの中に演技の要素が求められている。
演技や歌の表現者と同じ舞台に立つことは、ダンスチームにとってすごく刺激になっています。」
と、多ジャンルが合わさった相乗効果の手応えを強く感じている様子です。
開館から20年。月見の里に根づいた文化活動
「演劇には想像力が大切。物語に出てくる動物の生態を調べたり、ワークショップで動きを真似てみたり、子どもたちと対話を重ねて演技のひきだしを増やしてきました。」
と、俳優として地域に密着した演劇活動を行う横山さん。
月見の里学遊館のサポーター・市民スタッフとして開館当時から関わっている村松さんは、
「駅からも離れていて、20年前は文化的な要素が無かった場所に、月見の里学遊館がつくられたことで、地域への愛着が増した。地元にこんなに豊かな場所があることを誇りに感じる。」
と、月見の里学遊館のホールや、その歩み自体も見どころだと思いを話してくれました。
少子高齢化が問題となる中、月見の里学遊館のある袋井市では子育て世代の流入が増加しているとのこと。
文化や芸術が土地や暮らしに根付くことは、その地域の魅力にもなっているようです。
たくさんの想いが重なり、地域とプロアーティストが力を集結させる1日限りの大舞台。ぜひ月見の里学遊館ホールで体感してみてください。
◯月見の里学遊館 開館20周年記念 市民音楽劇「月のうさぎ」
日時 2023年2月26日(日)2回公演
午前公演 11:00~12:15(開場10:30)
午後公演 15:30~16:45(開場15:00)
場所:月見の里学遊館 うさぎホール
出演:月のうさぎ演技チーム、ダンスチーム、月見の里こうさぎ合唱団、月見の里ゴスペルクワイア、アンサンブル・ムジーク浜松、山﨑徹(効果音)
指揮:佐藤圭
チケット(全席自由)
前売り 一般…2,000円 4歳~高校生以下…1,000円
当日券 一般…2,200円 4歳~高校生以下…1,200円
チケット販売場所:月見の里学遊館、メロープラザ、ふらっと他
イベント詳細・WEB申込み:
http://www.tsukiminosato.com/event/tsuki20th_kouen/
袋井市月見の里学遊館:
月のうさぎ~月見の里物語YouTubeチャンネル:
(文・写真)静岡県関係人口ライター