事例紹介
くらみの「ありのまま」を体験しにいらっしゃい! 大自然と伝統行事が残る掛川市倉真で里山留学生募集
子育て・教育活動団体 | 倉真地区まちづくり協議会 くらみ里山留学実行委員会 |
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活動場所 | 静岡県掛川市 |
くらみ親子里山留学実行委員会は令和5年度の里山留学開始に向けて準備を進めています。
新幹線掛川駅から車で20分走らせたところに留学拠点となる倉真(くらみ)小学校があります。自然に恵まれた静かな環境で空を遮るものが一切なく開放的な場所、という印象です。併設された地域生涯学習センターに一歩足を踏み入れた瞬間、ふんわりと香ってきたのは馴染みある優しい匂い。出迎えてくれたくらみ里山留学実行委員会会長の横地静雄さんが匂いの正体は蒸した大豆だと教えてくれました。地域のお母さん方による味噌づくりの真っ最中だったのです。
ここ倉真には味噌づくりのほかに小学校では門松作りや田植えなどの伝統行事が多数あり、土地の文化を大切にしていることが伝わってきます。留学生がここで過ごす非日常的な1年は毎日が驚きと発見の連続になること間違いなし。
新年度から始まる「くらみ親子里山留学」について、実行委員会の皆さんにこの留学に期待することや倉真生活の魅力についてお話を伺いました。
「くらみ親子里山留学」 地域の反応は
現在、実行委員会では全国の都市部に住む小学校1年生から6年生までの児童とその親を対象に「くらみ親子里山留学」の参加者を募集しています。留学生は1年間掛川市に転居して義務教育を受けます。
戸塚さん 「親子分離のホームステイもあるけれど、地域の方々と話し合って親子一緒が安心だよね、という結論に至りました。期間は1年間ですが、希望さえあれば移住も大歓迎です!」
少子化や過疎化の問題を抱える倉真地区は令和3年、県の「ふじのくに関係人口創出・拡大モデル創出業務委託」を受け、地域の活性化を目的に里山留学事業に乗り出しました。里山留学には地域に大きなメリットがありますが、計画段階では地元の方々から様々な不安の声が挙がったそうです。
原田さん 「実行委員はまず地域への情報発信を行いました。『なぜわぜわざわざうちで留学生を受入れるのか』『どんなこどもがやってくるのか』など、寄せられる不安や疑問ひとつひとつに向き合い、応えていきました。」
実行委員会は留学に向けた取り組みや進捗状況を紹介する全戸配付用のかわら版や子供向けのニュースレターを発行したり、里山留学ワークショップを開催しては「倉真の魅力」をテーマに話し合ったり、と改めて留学の意義を地域住民と確かめ合っているといいます。
実行委員の啓もう活動の甲斐あって、いま聞こえてくるのは「うちの子の体操着やカバン使ってもらえばいいよ!」や「住まいは我が家の一角を提供しますよ」といった声。徐々に応援してくれる方が増えてきた、と手ごたえを感じています。
横地会長 「つい先日、校長先生がこの留学で新しいお友達ができるのをこどもたちが楽しみにしてるって教えてくれました。」
留学生の親子が自然と馴染めるように、と実行委員会による地域住民への情報発信は今後も続きます。
倉真で暮らすということ
味噌づくりや門松作り、元旦マラソンやリバートレッキングなど倉真での1年は昔から受け継がれる行事が盛りだくさん!老若男女の垣根を越えて地域ぐるみで文化を継承する風習が根付いているようです。留学する児童だけでなく、親御さんにとっても初体験が多いことでしょう。
原田さん 「この地域の人たちってみんなこども思いなんです。だから子育てに前向きで教育熱心。年長者が若い世代に茶道・将棋・習字を無償で教える報徳塾なんかもあったりします。留学生だけでなく親御さんも参加いただけます。これだけ多くの催しがあるので留学に向けた新しい何か、を作るより私たちの日常を親子で体験してもらったほうがきっと新鮮で素晴らしい経験をしてもらえると考えています。」
また、新幹線駅に近く都市部へのアクセスが便利な立地という点を考えると田舎暮らしに興味はあるけれど通勤の都合で諦めていた親御さんには大きなメリットと言えるでしょう。リモート中心の働き方なら休日だけでなく、日常的に自然豊かな環境に身を置いて働けます。親子留学ならではのこどもを通じた異文化交流や、地域行事に参加することで得られる新しい趣味や人との出会いにも期待が持てそうです。
戸塚さん 「夜の星空、本当にきれいなのよ。こういうの、毎日提供できますよ。」
ありのままの倉真をぜひ体験しにきて
実行委員会では現在も留学先を見学できる地域見学会や1泊2日のお泊り会などを企画しています。過去には里山留学に興味のある親子を倉真小に招き、地元の児童と一緒に制作活動をしながら交流したこともあるそうです。実際に来て、見てもらう機会を今後も増やしていきたい、と意気込みます。
地域の人や課題と真摯に向き合い一歩ずつ前進してきた「くらみ親子里山留学」の歩みは毎日の小さな努力の積み重ねが大きな成果をうむという「報徳思想」そのもののように感じました。
取材日以降、味噌を手に取る度あの大豆の香りと共に倉真小学校や実行委員会の皆さんとのひとときが蘇ります。一度訪れれば土地や人の魅力を実感することでしょう。
まずは一度素敵な日常を覗きにお子さんと倉真に足を運んでみませんか?
倉真地区まちづくり協議会 くらみ里山留学実行委員会のHP・Facebookはこちら
▼ホームページ
https://kurami-satoyama.com/
▼Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100078784730517
【令和5年度くらみ親子里山留学への参加者を募集!!】
倉真地区まちづくり協議会では、令和5年度からの「くらみ親子里山留学」への参加者を募集しています!
地域の子ども達とともに、倉真のありのままの里山生活で、地域住民と関わりながら、生き抜く力を育んでいきませんか。
募集期間:令和4年11月17日(木)〜令和5年2月28日(火)
▼詳細はこちら
https://shizuoka-yellstation.com/project/d070p04
(文・写真)静岡県関係人口ライター