
- 活動団体
- 一般社団法人御前崎スマイルプロジェクト
- 活動場所
- 御前崎市
静岡県御前崎市は、太平洋に面した美しい海岸線を持ち、サーフィンや漁業が盛んな地域です。
そんな御前崎で、海と人をつなぐ活動を展開する「一般社団法人御前崎スマイルプロジェクト」で、御前崎渚の交番スマイルに勤務する増田洋樹さんにお話を伺いました。
10年を数えるその歩みと、御前崎の海やプロジェクトに関わりを持つ人々、そして海が抱える課題と今後の展望についてご紹介します。
※御前崎渚の交番スマイルは、日本財団が全国に展開する「海と人をつなぐ拠点」のひとつであり、全国16拠点の中で2番目に開設された施設です。(住所:静岡県御前崎市御前崎1565-2)

目次
1)「御前崎スマイルプロジェクト」4つのミッション
2)多彩に楽しめる御前崎の海の魅力を伝えたい
3)地域の内外で生まれる新たな御前崎コンテンツ
4)御前崎の海が抱える課題と未来への展望
「御前崎スマイルプロジェクト」4つのミッション
御前崎スマイルプロジェクトは、『御前崎渚の交番スマイル』を拠点に、海と人をつなぐ4つの活動をおこなっています。

1つ目は、「海の安心・安全事業」です。水上オートバイによる海上パトロールや、レスキュー練習会、市内小学校での着衣泳教室などを実施するほか、水難救助の合同訓練など、海の安全を守るために、海上保安署や消防署とも連携を図って、実際に事故や災害が発生した際には救助活動を行っています。
2つ目は、「自然環境保全事業」です。海岸清掃活動をはじめ、砂浜を守るためのフォトコンテストや、マイクロプラスチックゴミの勉強会を催しています。
3つ目の「青少年健全育成事業」では、市内小学校の海洋体験や市内外の様々な団体のマリンスポーツ体験受付などを行っていて、この事業で運営する御前崎ウィンドサーフィンクラブでは、世界で活躍する選手も輩出しています。
4つ目は、「海と人をつなぐ事業」です。ゴールデンウィーク、ハロウィンなど季節のイベントや海水浴場のPR・集客。初日の出特別営業ではドリンクの振舞いなども実施しています。
それぞれの活動がリンクすることで、御前崎エリアにおける海の価値を高めています。
多彩に楽しめる御前崎の海の魅力を伝えたい

御前崎市出身の増田さんは、幼いころから海とともに過ごし、大学も海に関わる海洋学部へ進学。水辺での事故を防止・救助するライフセーバーとして活躍していました。その後、地元を離れてもスイミングのインストラクターなど水に関わる仕事を行っていたそうです。
「地元の海と関わり続けたい」と御前崎スマイルプロジェクトに参画し、ライフセービングや赤十字活動、施設管理の経験を地域に還元しています。
御前崎の海について、
「海水浴場・砂丘・磯場・サーフィンやウィンドサーフィンができる長い海岸線・釣りが楽しめる港など、自然景観や施設、アクテビティの豊富さが魅力」だと語る増田さん。
そんな御前崎の海の魅力を届けるため、4つの柱がどれも欠けることの無いように次世代へと繋げる取り組みを10年間続けています。

地域の内外で生まれる新たな御前崎コンテンツ
御前崎スマイルプロジェクトは、観光協会や地域内外で活動する人との連携・協力を大切にしてきましたが、近年、多様な交流によって新たなコンテンツが次々と生まれています。
「#オマエザキライダー」というワードをご存じでしょうか?
海のアクティビティが盛り上がる夏以外にも、バイクライダーが集うスポットとして御前崎がにぎわいを見せています。
御前崎の海岸沿いの道や灯台周辺は、絶景のツーリングスポットとして知られます。ラリーイベントに参加するライダーのお見送りを実施し、訪れたライダーがSNSで情報を発信することで話題を呼びました。
他にも、アニメ『ゆるキャン△』の舞台、テレビドラマのロケ地、ご当地キャラクター『おまねこ』などのコンテンツで注目を集め、ファンを中心に観光や関係人口の創出にもつながる新しい価値を生み出しています。

御前崎の海が抱える課題と未来への展望
「3.11の東日本大震災以降、海が怖い場所というイメージがついてしまい、コロナ禍や、猛暑による熱中症アラートも続いて、海の賑わいへの道は険しい」
と話す増田さん。
「母なる海」と言われるように、海は生命の根源であり、生きていくうえで大きな存在であることを、どのように伝えるか試行錯誤が続いているそうです。

「御前崎の海は、外海(そとうみ)と内海(うちうみ)の両方があって表情豊か、サーフィンのローカリズムも他の場所よりも大らかなので、市外・県外から移住する人にとっても馴染みやすいのではないでしょうか。海の安全を守るボーダレスな連携で、安心できる海だと皆に感じてもらえるように努力します!」
楽しく、きれいで、安全な海を次世代につなぐ御前崎スマイルプロジェクト。
老若男女、誰もが親しめる海を実現するため、着替えやシャワー場所をつくることや、海に入らなくても歩いて心地よいビーチを整備し、とその夢は広がります。
【リンク】
▼御前崎 渚の交番スマイル WEBサイト
https://omaezaki-nagisa-koban.com/
▼SHIZUOKA YELL STATION団体情報ページ
https://shizuoka-yellstation.com/group/d043
▼御前崎スマイルプロジェクト インスタグラム
https://www.instagram.com/omaezakismileproject/
取材・文/JUNK itamura
