- 活動団体
- 一般社団法人みんなのASOBI
- 活動場所
- 焼津市・藤枝市等
「『みんなのASOBI』は“総合型スポーツクラブ”を謳っています。活動方針は、『多世代』、『多種目』、『多志向』の3つです。スポーツの普及だけでなく、地域の方々が繋がるようなコミュニティの構築を目指しているんです。小さなお子さんであれば、社会人と交流できるような世代をまたぐ“サードプレイス”になればいいなと」(森)

「2本の縄を回してグループで跳ぶダブルダッチや、木製のピンを倒すフィンランド発祥のモルックといったマイナースポーツの普及啓発活動も行っています。僕は昔から球技が苦手ですが、体を動かすことは好きでした。大学時代にはダブルダッチのサークルに入っていましたが、社会人になると球技が苦手な僕でも楽しめる、初心者向けのスポーツイベントがあまりないことに気づきました。中にはネットワークビジネスに誘われたという話も知人から聞き、初心者でも純粋にスポーツを楽しめる場が必要だなって思っていたんです」(西海)

「みんなのASOBI」の魅力は、スポーツを媒介にした居場所づくりであり、スポーツを含む日常の楽しさ=「遊び」の再発見にあると言えます。
「私が焼津市在住、西海が藤枝市在住ということもあって、主な活動範囲は志太地域になります。定期開催しているフットサルなどは、主に市営の焼津体育館を会場にしています。藤枝市では、他団体が主催するサッカーやフットサルのイベントに参加することが多いです。焼津市の教育委員会や藤枝市での地域おこし協力隊の方々と連携して、小中学生向けのスポーツイベントやサッカー関連のイベントにも参加するようになりました。それ以外にも静岡市のグランシップや袋井市のエコパなどで開催されるイベントへ参加しています」(森)
森さんは宮城県出身、西海さんは兵庫県の出身で、西海さんは岡山県内の大学院を卒業しています。二人はいつごろ知り合ったんでしょうか?
「2019年に大学院を修了して、研究開発職に就きました。配属になった研究所が藤枝市内だったので、藤枝市に引っ越しました。今は独立してフリーランスになりましたが、自分の意思で藤枝市に住み続けています」(西海)
「2011年の東日本大震災で実家が全壊してしまいました。家族は幸いなことに無事でしたが、自分自身、人生観が大きく変わり、『やりたいことがあれば、やらないよりどうやるかを考えた方が、より充実した人生になる』と思うようになりました。その後、富士宮市に移住し、『みんなのASOBI』の前身となるイベント活動を行っていました。そのとき西海からInstagramのDM経由で問い合わせをもらって、それがきっかけですね。話しているうちに彼はクリエイタータイプだと判断して『何か一緒にできたらいいね』と運営に誘いました」(森)
「元々大学時代にイベントの企画をしていたこともあり、静岡に配属になった時に、静岡でも何かしらのイベントに関わりたいと思い、森が企画するイベント団体に連絡を取ってみました。大学時代に行っていたイベント活動やダブルダッチの普及活動を継続したいと思っていたので、今、少しずつ形になっているのかもしれません」(西海)

県外から移住してきた二人が必要だと思うものを、自分たちの手で形作ってきたのがまさに「みんなのASOBI」だったわけです。イベントの参加者からは、家族間のコミュニケーションが増えた」という声が多数届いているそうです。
「少年団は送迎や応援はできてもお父さんやお母さんは参加できません。だけど僕たちのイベントは送り迎えだけでなく、家族で参加して楽しんでもらえる。その点を喜んでもらっていますね」(森)
「強いチームに入って上を目指したいという運動が得意な中高生もいれば、とりあえずスポーツを楽しみたいという中高生もいると思うんです。僕が中高生のころ、自分も含めて後者のタイプの同級生がたくさんいました。この地域にも、勝つことや上達を目指すスポーツ教室はたくさんありますが、スポーツを楽しむことをメインの活動方針にしている団体はあまりみかけません。だから『みんなのASOBI』は、競技性よりスポーツを楽しめる場づくりを心がけています。ある小学生のお母さんからは『子供がすごく楽しみにしていて、“早く行きたい”と言っている』と聞いたことがあります」(西海)
中学や高校の部活動が全国的に縮小していく中で、「みんなのASOBI」は子どもたちのスポーツ体験や地域交流の受け皿になるポテンシャルを秘めています。
「我々の活動は地域コミュニティの活性化にもつながっています。スポーツに限らず、スマホを活用したコンテンツやビンゴ大会など、家族で楽しめるゲーム交流会もこれまでに開催してきました。子供たち向けに、長期休暇中のラジオ体操のように、1回参加したら1スタンプ押せるカードも作っています。ポイントが貯まったら、講師として関わってくれている方が開発したアスリート向けジェラートなどと交換できます」(森)
「みんなのASOBI」の運営は、主に共同代表の二人が担ってきました。一方で、初心者や未経験でも楽しめるように、スポーツイベントには講師を配置しています。スポーツ関係の仕事をしつつ関わってくれている講師もいれば、プロを目指してる講師もいるそうです。
「もし参加したい方がいたら、公式ホームページや公式LINE、インスタグラムからお問い合わせください。志太地域に限らず例えば静岡市在住の方でも問題ありません。運営スタッフも大歓迎です。“負担にならない”ことがすごく大事なので、どういう形でご協力いただけるか相談の上、ご自身がやりたい形で参加いただいています。そのほか、イベントの運営サポートや、今回我々が着ているオリジナルTシャツを着用してスポーツ大会などに参加し、宣伝いただくアンバサダーもいます」(森)

「みんなのASOBI」は2024年7月に、非営利型の一般社団法人になりました。西海さんは活動を通じて『より多くの人に非営利組織と営利法人の違いを知ってもらって、非営利組織が就職活動や起業などの選択肢のひとつになれるように、そのお手本になれるように運営していきたい』という目的も持っています。今後は、「多様性を活かすために、もっとスポーツの種類を増やして、活動の場を広げていきたい」と森さんは話します。学校や地域と連携しながら、スポーツのすそ野を広げていく「みんなのASOBI」。地域の活性化と交流促進に、今後ますます大切な役割を志太地域で果たしていくことになりそうです。
取材・文/小林稔和

