事例紹介

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地元菊川を盛り上げたい!小中学生が「本気」で農業とビジネスに挑戦!

子育て・教育
地元菊川を盛り上げたい!小中学生が「本気」で農業とビジネスに挑戦!
活動団体 菊川ジュニアビレッジ
活動場所 静岡県菊川市

グローカルデザインスクール㈱が企画・運営する「菊川ジュニアビレッジ」では地元を盛り上げようと集まった小中学生が新たな菊川の特産品として「本気のハーブティー」を商品開発しました。ハーブの生産から商品開発、販売に至るまでのすべての工程を子ども達が主体となって円滑に進められるようJA静岡県信連の職員のみなさんが「サポーター企業」として参加しています。
この取組みについてグローカルデザインスクール㈱の村田さん、サポーター(JA静岡県信連)の岡野谷さんにお話を伺いました。また子ども達に聞いた、商品に込めた思いや活動中に参加してよかったと感じたことなども紹介します。

(グローカルデザインスクール㈱の村田さんは子ども達とサポーターのつなぎ役)

「地域課題の解決」の取組みを未来に繋げる

グローカルデザインスクール㈱は、農業とビジネスの体験をカリキュラムの軸として活動しています。その狙いは、常に変化する自然や市場を相手にすることで「課題解決力」を身に着けてもらうこと。
「菊川ジュニアビレッジ」が取り組む地域課題は「菊川茶の知名度アップ」。地域課題に本気で取り組む子ども達を後押しするため、作物の栽培・収穫を伝授する農家、茶業の現状を解説する行政(市役所)、商品パッケージを指導するデザイナーなど、各分野の専門家を講師として招きます。その他にも、企業研修の一環でジュニアビレッジの運営スタッフとして参加するJA静岡県信連のような企業もあります。現在は若手社員8名がサポーターとして、プロジェクトが円滑に進むようファシリテーター(進行役)を担っています。村田さんは「活動を通じて子ども達とサポーターの両者が一緒に成長する機会になれば」と話します。

「地域課題の解決」の取組みを未来に繋げる
(JA静岡県信連の岡野谷さん)

JA静岡県信連で人事担当の岡野谷さんは、ジュニアビレッジに参加する企業側の目的は「新人教育」と「経営的な関りができる(地域との繋がりができる)」2点であると話します。
1つ目の「新人教育」は、研修の一環としてリーダーシップを養う場になるという点。意見をまとめる際、子ども達の主体性を守りつつ全員納得の結論に導くのも進行役の腕の見せ所であり、生産から販売までの一連の活動で得た経験を実務に活かせるようにすることが狙い。
2つ目の「経営的な関りができる」点では、地域の課題解決や関係人口創出に取り組む団体と関係を深めることが県信連の目指す『農業と地域のつなぎ役』に合致するといいます。

(デザイナーさんと相談しながらパッケージのデザインを決めていく子ども達たち)

子ども達が経験する交流と気づき

「菊川ジュニアビレッジ」では小学5年生から中学2年生までの5名が「菊川茶の知名度アップ」のために活動しています。そのうち、「社長」が1名、他の子ども達はハーブの栽培法を研究する「アグリテック部」、宣伝や販促物のデザインを担当する「デザイン部」などに所属。各分野の講師から手ほどきを受けて農業とビジネスに挑戦します。こうしてうまれたのが「本気のハーブティー」。菊川茶にブレンドするハーブを生産し、商品開発から販売まで一貫して行います。
「文系の僕にとって土壌のデータ分析が難しかった」と話してくれたのは、参加3年目のアグリテック部部長の前田君。所属当初、パソコンと数字を扱う業務に苦戦していたところを助けてくれたのは先輩でした。また、販売会でお客さんへの声掛けが恥ずかしさから苦手だと感じたときも仲間たちが頑張る姿に刺激を受け、気持ちを切り替えられた経験も。普段関わりのない学校や学年の異なる仲間と同じ目標に向かって切磋琢磨できるのはジュニアビレッジに参加しているからこそ。
「社長に就任してから以前にも増して参加意欲が湧いた」と話してくれたのは参加1年目の戸塚さん。土曜日の活動が多いことで部活動やほかの用事と被ることもしばしば。そんなときは「ジュニアビレッジ優先、だって(活動が)面白いから」と笑顔。パッケージに自分のデザインが採用されたことが今までで一番嬉しかった出来事なんだとか。最近印象的だった出来事は卸先の社長さんからの「お給料もらったら?」というビジネスアドバイス。「実現したらもっともっとやる気が出るのに。」と戸塚さん。企業のトップと直接対面し、意見をもらう貴重な場にもなっているようです。

子ども達が経験する交流と気づき
(販売中の本気のハーブティー)

「本気のハーブティー」一度ご賞味あれ!

「菊川ジュニアビレッジ」では現在、活動に参加してくれる子ども達と、活動を支援してくれる団体・個人を募集しています。「本気のハーブティー」の名の通り、菊川を「本気」で盛り上げようと試行錯誤してできたハーブティーは「無糖・無農薬で本当に美味しいから多くの人に飲んでほしい!」と子ども達が自信を持ってお勧めする力作です。フレーバーはステビアの他、レモンバーベナ、パイナップルミントの3種類。そのハーブティーを飲むことも彼らの活動を応援することに繋がります。まずは毎日のリラックスタイムのおともに香り高いハーブティーはいかがですか?

 

(文・写真)静岡県関係人口ライター