事例紹介

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釣り人発信から始まり、地域の方もみんなでゴミ拾い。静岡フィッシングボランティアグループが作ってきた景色とここから

環境
釣り人発信から始まり、地域の方もみんなでゴミ拾い。静岡フィッシングボランティアグループが作ってきた景色とここから
活動団体 静岡フィッシングボランティアグループ
活動場所 静岡県

毎月第2日曜日の朝1時間。釣り人のマナー向上と静岡の海を守る為、地元の釣りチームが中心となり、静岡フィッシングボランティアグループの仲間たちが各地の海で清掃活動を行っています。

清掃活動は、沼津フィッシングボランティアとしてスタートして今年で3年目。現在は県内3箇所で同時に開催されているのですが、さらにすごいのは、しまなみや宮古島など、静岡だけに留まらず全国でも開催されていること!100名近くの方が参加をされる回もあるなど、その活動は確実に広がり続けています。

今回は発起人であり、静岡フィッシングボランティアグループの代表も務める山田桂司さんに、立ち上げた経緯や活動の様子、ここからのお話を伺いました。

釣り人はもちろん、子どもから大人まで、多くの方が集まります(写真提供=山田さん)

立ち上げた理由は「釣り人は来ないでください」と言われた港があったこと

「コロナ禍で釣りブームがおきたことにより、釣り人のマナーが悪いと言われ、釣りができなくなった港があるんですよね」。静岡のある港で”釣り人来ないでください”となったことがニュースで取り上げられ、「このままではコロナが収まっても静岡で釣りができなくなってしまう」と危機感をもったという山田さん。すぐに釣り仲間や釣りチームの代表の方とお話の場を設けたのだそう。

「ゴミ拾いは俺らでもできるんじゃないかと考え、”とりあえずお掃除をやってみよう!”と動き出しました」。

立ち上げた理由は「釣り人は来ないでください」と言われた港があったこと
清掃活動を始めた最初の出会いの一枚。左はフィッシングボランティア副代表のカズキングさん。(写真提供=山田さん)

最初は山田さんのチームが主催として開催。活動を続けることで徐々に仲間が増え、現在の各地で同時開催スタイルになっていきました。

「清掃活動を通じて、海や自然を守っていこうよ、という人が増えてきていると感じています。また、釣り人は見た目が怖く見える人も多いのですが(笑)、清掃活動では進んでゴミ拾いをしたり、自分たちもやるよ、と活動をリピートしてくれる人が増えてきたのも嬉しいですね」。

静岡フィッシングボランティアグループの仲間たち。「活動を通じて出逢えた仲間に感謝」と、取材中も何度も仲間への感謝の言葉が溢れていたのが印象的でした。(写真提供=山田さん)

最近は釣具メーカーさんが協賛してくださることも増え、清掃後の釣り具メーカーさんや他の参加者と情報交換するのを楽しみにしている参加者も多いのだとか。

普段海釣りをしてた人が「川釣りやりたい」となった際は一緒に行ったりと、毎月の清掃活動がチームを超えて釣り仲間に出会える機会にもなっているのも、静岡フィッシンググループの魅力となっています。

朝9時に清掃活動が終わった後、そのままお昼すぎまで情報交換をしている方もいるそうです。(写真提供=山田さん)

今後の目標は、県外の活動を増やすことと、ダイバーさんと協力して海の中からの清掃活動も一緒に行うこと

生まれも育ちも「静岡っこ」という山田さん。勉強のため1年東京に出ていたのち、静岡に戻ってきて、今は長沢の住宅街の中にある「IZAKAYA CAFE YORIMICHI」のオーナーシェフを務めています。

小学生の時からやっている釣りの魅力は「自然と触れてる時間が長いので、何も考えごとをしないで没頭できること」。早朝出発にもかかわらず、釣りに行くと疲れが取れるのだそう(笑)。

今後の目標は、県外の活動を増やすことと、ダイバーさんと協力して海の中からの清掃活動も一緒に行うこと
イカ釣りの様子(写真提供=山田さん)

静岡フィッシングボランティアグループの今後の目標は、県外の活動を増やすことと、ダイバーさんと協力して海の中からの清掃活動も一緒に行うこと。「沼津と静岡、焼津で1回ずつやってもらったんですが、今後も定期的にやっていきたいですね」。

「若い子たちが、また次の世代に残していくような団体になっていけたら嬉しいです」と話す山田さん。「自分一人じゃ何もできない。みなさんの力あってここまでやってこれた。本当にありがとうございます、という気持ちです」。

「声をかけなくても、毎月第2曜日は勝手に釣り人が清掃してる未来も理想です」と山田さん(撮影時のみマスクを外しています)

釣り人だけでなく、誰でも気軽にきて欲しい

釣り仲間からスタートした静岡フィッシングボランティアグループですが、現在は子どもから近所をたまたま散歩していたという大人の方まで、幅広い方々がゴミ拾いの活動に参加されています。

「誰でもぱっときて手ぶらで参加が可能なので、ちょっと行ってみようかなと思ってもらえたら気軽に来て欲しいです」。

釣り人だけでなく、誰でも気軽にきて欲しい
事前の予約は不要で、当日は朝に受付をすれば大丈夫。 それぞれのできる範囲でゴミを集めてもらいます。(写真提供=山田さん)

各種SNSや公式ホームページ、またSHIZUOKA YELL STATIONの活動報告などでの発信も力を入れているので、最新情報はそちらをチェックしてみてください。

釣り人も、釣り人でなくても。
気軽に参加してみることで、新しい繋がりや出会いも広がり、海や自然も綺麗になる。
みんなにとっての幸せの形を、静岡フィッシングボランティアグループは作り続けているのだと今回の取材を通じて感じました。

次の第2日曜日は、お近くの参加しやすい会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

ホームページ:https://fishingvolunteer.com
Instagram:https://www.instagram.com/fishing.volunteer/
Facebook:https://www.facebook.com/fishingvolunteer/

冒頭に静岡フィッシングボランティアグループの清掃活動の様子が。釣り人だけでなく、
小さい子どもから大人まで参加しています。(楽しそう!)

 

(文・写真)静岡県関係人口ライター