まちづくり
東部
伊豆エリアの地域資源に着目して、地域活性化に貢献する事業を企画・実施する
活動団体
NPO法人 地域活性スクランブルフォーラム
活動場所
三島市

民間の力で伊豆エリアを元気に!4つの部会が地域と連携して活動

NPO法人 地域活性スクランブルフォーラムは、自治体をはじめとする地域の関連機関にさまざまな提言を行う民間の団体をつくる目的で発足しました。本部は三島市にありますが、市内にとどまらず、伊豆半島を含む静岡県東部の広域で活動をしています。企業経営者やサラリーマン、議員など、地域の活性化に貢献したい、関心があるという人たちが会員となり、「スクランブル」の名の通り、多彩な知見を持ち寄って、教育、健康、観光、環境の部会に分かれ、地元の資源を活かすための議論や取り組みを行っています。

民間の力で伊豆エリアを元気に!4つの部会が地域と連携して活動
伊豆八十八か所霊場巡りの様子
伊豆八十八か所霊場巡りは、現在「大人の遠足」として地域資源を発掘中

地域活性スクランブルフォーラムの設立に深く関わった、二代目理事長で現相談役の前田磨(まえだおさむ)さんにお話を伺いました。

 

前田さん「設立当初は、今のようなイベントではなく教育関連のシンポジウム開催が中心でしたが、次第に、地域の現状を見て、実行可能な地域活性につながりそうなことを手がけるようになっていきました。これまでに、伊豆八十八か所霊場巡りや伊豆鹿のジビエメニューの開発など、歴史や文化、食にスポットを当てて、静岡県東部と伊豆地域の魅力を発信、再発見する活動や、未来を担う地域の子どもたちがのびのびと育っていけるよう、地域を巻き込んだイベントを開催してきました。

ただ、我々で手がけるだけでは限界があります。仕組みができた後は、地域活動に関わる人たちが、それぞれの独自性を発揮しながら発展、継続していただきたいのです」。

地域活性スクランブルフォーラム相談役の前田磨さん

未来を担う子どもが、地域の魅力を知り、大人と学ぶ機会を創出する

地域活性スクランブルフォーラムが2008年から手がけている「街中だがしや楽校」は、2025年に17回目を数えた、代表的なイベントです。

三嶋大社と周辺商店街を会場に、子どもたちはワークショップに参加したり商店のお手伝いをしたりして、駄菓子と交換できる「えびす券」を集めます。この体験を通して、子どもたちは学ぶこと、働くことの楽しさを知り、自立心や職業・社会参加意識を育みます。地域住民同士のつながりも深まっています。

当初は地域活性スクランブルフォーラムの会員が直接運営に関わっていましたが、現在は街中だがしや楽校運営協議会が立ち上がり、50社ほどの地元企業が協賛する地域のイベントとして継続しています。

未来を担う子どもが、地域の魅力を知り、大人と学ぶ機会を創出する
街中だがしや楽校の様子

また、三島市は富士山の雪解け水が清流として市街地を流れる、せせらぎのまちとして有名です。この湧水を活用した「せせらぎミニミニ水力発電コンテスト」は、開催した初年度に静岡県「県民運動ふじのくにエコチャレンジ2014アクションプラス」を受賞。環境省グッドライフアワード「環境ひとづくり賞」で表彰されるなど、教育面、環境面での評価も高いイベントです。

子どもたちが家族と一緒に手づくりするオリジナルの水力発電機

理事長の岡田美喜子(おかだみきこ)さんは、このイベントが子どもたちの自由な発想を育み、ものづくりに興味を持つきっかけになると言います。

岡田さん「装置のアイデアのユニークさや発電量などトータルで評価するのですが、つくる過程も大切にしています。オリエンテーション後、6日間ほどの製作日数で専門的な工具なども使って親子で水力発電装置をつくってもらいます。常識にとらわれない、子どもながらの自由な発想でできあがった優れた装置もあります。年々応募数が増え大好評なんですよ」。

地域活性スクランブルフォーラム理事長の岡田さんとミニミニ水力発電コンテストの様子

子どもたちが地域の歴史を知る貴重な機会としては、三嶋大社の頼朝公旗挙げ行列に参加する「頼朝行列子ども甲冑隊」があります。

 

前田さん 「三島市内でも、昔からある町内の子どもたちは“しゃぎり”と呼ばれる祭り囃子に楽器を演奏して参加します。旧町内以外の子どもたちはお祭りに参加する機会がありません。このイベントでは、自分たちでつくった段ボール製の甲冑を身につけて頼朝旗揚げ行列に加われます。自分たちが暮らしている三島のまちの歴史を知り、愛着を持ってほしいのです」。

 

手づくりの甲冑を着て参加する頼朝行列子ども甲冑隊

誰もが活動に参加できる環境とネットワークづくりで地域を盛り上げる

地域活性スクランブルフォーラムの拠点は三島市にありますが、活動エリアは静岡県東部全域です。「自分が住むまちをよくしたかったら、隣接地域もよくしなければ実現できない」というのが、前田さんの持論です。

 

伊豆半島にある多くの自治体では、少子高齢化による過疎化が進み、消滅可能性自治体も少なくありません。そうした状況で、伊豆エリアの活性を目的にした活動に広域で取り組むことで、伊豆に訪れる観光客が増え、伊豆の玄関口・三島市の活性化にもつながると考えています。その原点に立ち返った仕組みを考えるのが、現在の活動の指針になっています。

 

前田さん「世代や職業、所属に関係なく、地域のために活動したいという思いがある人たちと一緒に活動したいのです。正会員でなくても、サポーターとして一緒に活動できる形を整えて、さらに活発な活動につなげたいと思っています」。

 

岡田さん「健康、早起きをテーマに、朝散歩をする『朝の街みしま』は、2020年にスタートしました。三島を訪れた人たちに、豊かな緑やせせらぎなど自然を体験できる、清々しい朝の街を知ってほしいと始め、今では朝の街みしま実行委員会が中心となってさまざまなプログラムを用意して実施しています。こうした事例をどんどん増やしていきたいですね」。

誰もが活動に参加できる環境とネットワークづくりで地域を盛り上げる
地元の人や観光客が参加する静かな朝の三島市内を散策する「朝の街みしま」

まずやってみるという意識で活動している地域活性スクランブルフォーラムは、まちづくりのスタートアップのような存在です。首都圏からの移住先として人気の静岡県東部では、

移住者が中心となった地域イベントや活動も増えています。そうした人たちや、二拠点居住をしている関係人口との連携も、今後増えていきそうです。

 

前田さん「外から見るからよくわかることは多いです。スクランブルフォーラムの中には、マイナス発想のメンバーはいません。やらないという選択肢がありません。移住者や関係人口の意見も柔軟に取り入れられる仕組みづくりを進め、どんどんスケールアップしていきますので、興味を持たれた方は、遠慮なく参加してください」。

 

地域活性スクランブルフォーラムでは、団体としての参加も呼びかけています。特に、伊豆エリアを拠点に連携できる個人、団体は大歓迎とのこと。「地域を元気にしたい!」という方は、事務局まで気軽にお問い合わせを。

 

【リンク】

https://scramble-f.net

 

取材・文/竹内友美